発想豊かな子に癒された日-Power Apps編 -
エンカレッジ桃花台では、小学生は基本的に塾の対象ではありません。
中学校専門の『徹底的にわかりやすい塾』としてがんばっております。ですが、学びにくい小学生のお子さんに個別で指導はしています。学びにくさはそれぞれです。発達性読み書き障がいの疑いがあるお子さんはもちろんのこと、算数障がいや、学校へいけないなどさまざまな理由のある子供たちに対応しています。個別で時間をお取りしますので、昼の学校へいっているはずの時間帯でも大丈夫です。
さて、そんなお子さん達の中でもプログラミングを習いたいという希望の子もいます。内容はその子その子に合わせて指導するので、もちろんプログラミングでもOKです。先日は、くりくりっとした瞳の利発な男の子A君のレッスンでした。レッスンの初めは何かちょっとご機嫌斜めで、やりたくないなとこぼしているような状態でした。小学5年生ながら、彼は4年生の時からプログラミングを習ってみたいといってくれ、はじめは「JAVA」から学習し始めました。マインクラフトが好きだということがきっかけでした。そこで、JAVAをはじめましたが、子供らしい遊び要素もないレッスン内容でしたがどんどん理解し、すすめてくれました。
読めて理解できるのに、書こうと思うとどうしてもできない
でも、表現する方法は1つじゃないから
昨年卒塾していった小久保君もそうでしたが、このA君も読めるけど書けない事に苦労しています。でも、入力はできるようになりました。英語についても単語は覚えることがやはり、困難です。それでも、パソコン上では必要なことはコピー&ペーストでどんどん作業を進めます。また、書きだすことに難しさがある今までを送ってきた影響でしょうか、頭の中で考えたり、組み立てたりする作業はスムーズです。JAVAという言語のきまりをよく理解してどんどん吸収していきました。条件分岐、繰り返し、変数、配列変数など基礎的な事を学びましたが、ここから先は少し小学生には難しくなってきました。そもそも、大人向けの教材でしたのでこの辺りが限界でもありました。そこで、次に別の言語もやってみようかと提案すると、「Python」がやってみたいとのお返事。(;^_^A
塾長もPython初めてよ・・・でも、まぁ、一緒に学びながらやってみようかしらん
心配をよそに、Pythonもどんどん進めていきます。JAVAでやったところまでは、書き方や単語が少し違うだけで考え方は同じです。彼にとってはそこまで難しく感じていないように思います。あぁ、本当はことばも、こんな風に覚えていけたらいいのになぁ。多言語を話せるバイリンガルにとてもあこがれるけど、プログラミングのバイリンガルは日本語と英語ほど開きがないから、一つ習得したらほかの言語にもその考え方は応用が利きます。小学生のA君がここまで理解してくれることに驚きと、可能性を感じていました。
Pythonもある程度のところまで到達してしまいましたので、こんな提案をしてみました。
スマホアプリをつくってみない?
こうして、A君は先週からPower Appsに取り組むこととなりました。
そして、先日様々なコントロール(入力や、切り替えなどに使う部品たちのことです)の動きを確認する課題、「コントロール見本帳」に取り組みました。ラベル、インプットボックス、ボタン、リストボックス、コンボボックス、チェックボックス、ラジオボタン、スライダーなどを動かす仕組みを学習します。まずは、インプットボックスを使って何をしようか?と問いかけると
生れた年を入力したら、何歳かわかるようにしてみたい
ということで、作ってくれたのがこれです!
おお~~!!素晴らしい。うまくいきました!
そして続いて、こんどはスライダーコントロールで何をしよう?と話し合うと面白いアイデアが浮かんできました。スライダーではある程度の幅を持たせた値をスライダーをずらすことで与えることができます。例えばスライダーを動かして図形の色を変化させたり、位置を移動させたりすることができるのです。図形や画像を移動させることができると聞くと、富士山から太陽場が上る所をつくりたい!といってくれました。それはおもしろそう!と早速富士山の画像をみつけ背景を抜いてメディアコントロールを使って画像をいれました。そして丸形の図形を赤い色にして富士山から登るように調整しました。それがこれです!
いや、なかなかにシュールでしょう!!!二人で大爆笑しました。富士山から日が昇るというだけだけど、予想どおりの動きをしてくれているけどなんかおもしろい!!そう言って二人で大笑い。レッスンはじめの不機嫌もどこへやら。すごい、おもしろいと大盛り上がりでこれはビデオにとろう!と撮影しました。今までも何人もこのコントロール見本帳を作ってきましたが、この発想は初めてです。彼がとても真剣に取り組んで考えてくれていることがわかります。
そしてこの人レッスン最後には、切り替えボタンで何かを変化させるという課題。
電球を灯したい!
よいではないですか。やろうやろうと丸形の図形と五角形の図形を組み合わせてグループ化し、もう一つ五角形の図形を色を変えてくみあわせて、配置を変更し、なんちゃって電球のできあがり。その色を切り替えスイッチで変数の値を変更させて光ったり消したりを表現したのがこれです!
どうですか?電球にみえましたか?これ、後光を線図形などをつかって連動させて表示、非表示を切り替えたらもっと光った感をだせるかもしれないですね。
学びは生活につながっているという事
素晴らしいアイデアだと思います。自分の身近にある材料を想起して、学びと組み合わせていく。そんな中から、学びと生活が実はつながっているんだと感じ取れることは、まさにアクティブラーニングではないでしょうか?楽しかったよ!A君。先生はこんな授業にめぐり合うと本当に楽しくて、嬉しくなります。ありがとう!
A君が今回チャレンジしてくれた課題は、他の子供たちもたくさんチャレンジしています。いろんなアイデアがでて、それぞれ見ごたえのある見本帳になっています。これで動作を確認したら今度は自分オリジナルで仕掛け絵本アプリを応用編で作成します。びっくりするくらいの大作ができあがっていますよ。データとはつながっていないので、PowerPoint的な使い方ですが、スマホで動作するのをみると感動してくれます。また、自分の想い通りに動作した瞬間の子供たちのきらきらした驚きと感動の笑顔はいつみてもいいですね。「よしっ」って小さなガッツポーズをしながら進んでいく姿を何度も見かけました。この「よしっ」ってつぶやきの瞬間に、成長しているんだなと思います。
これからもがんばってね!次なるアイデアを本当に楽しみにしていますよ~~~~。