声に出してみるとわかるから
子供の頃あまり聞かなかったけど
ここの所よく聞くことばに
「100年に1度の大雨」
「100年に1度の台風」
「100年に1度」がなんか多いな
って思いませんか?
振り返ってみれば
阪神大震災が起きたときも
あんな甚大な被害も
テレビに映る映像も
しんじられないような
地震だと思いました
まさに100年に1度
こんな地震を経験するのは
もうないだろうと思っていたら
あの東北大地震
津波の映像は今みても
心が痛みますね
そして今回のコロナ
それこそ、生まれて初めて
半世紀以上生きてきて
常識が通用しない
今を生きています
学習塾を運営する今
なかでもやはり、
これほど長い学校の休校は
自分の子育て中は
考えたこともない事態です
先週からオンライン学習の中で
眠ったままの
真新しい教科書を使おう!
新学年の学習をすすめよう!
ということで
まずは、国語の教科書を
音読(おんどく)する
これを始めました
音読って、宿題ででるんです
うちの子供の時もありました
でも、正直めんどくさい
こどものたどたどしい読み方を
ゆっくり聞いてあげる余裕が
夕飯をつくらなきゃならない
お母さんにはしんどい
毎日同じ話を聞き続けるのも
しんどい・・・と思ってました
今、塾の先生として
子供たちと「音読」に
向き合ってみると
そこには、たくさんの
「気付き」
がありました
学年によっての違いは
もちろんですが
「読む」という作業が
こどもにとって
どれほど難しいか
という事を実感しました
さらに
声に出して読む
もう一段階難易度がアップします
発達障害のなかに
ディスレクシアという
困難さをもつ人がいます
読んだり書いたりする事の
難しさのある状態をいいます
書けない、読めないのではなく
読むのも、書くのも
すごーく時間がかかってしまい
また、よく間違えるため
意味の把握をするのがさらに
むずかしくなる
疲れてしまって
学習がおくれていってしまうのです
これは、
知的能力の低さや
勉強不足が原因ではなく、
脳機能の発達に問題があること
が原因なので、
本人には責任がない事なのです
視力が悪いのに、怠けているから
遠くの文字がみえないんだ!と
叱る人はいませんよね?
本人は一生懸命やっていて
がんばっているのに
「なまけているから頑張れ」と
言われてしまい
つらい思いをする事も多いです。
ディスレクシアについて詳しくは
下記ホームページを参考にしてみてくださいね
国立成育医療研究センター
読んでいるのを聞いて
その子がディスレクシアなのか
どうかわかったとかじゃないですよ
そういう困難さをもたない子でも
子供たちにとっては
はじめて読む文章を
声に出して読むのはすごく大変
ということ
想像以上でした。
例えば
「きつつきは、森中の木の中から、
えりすぐりの木を見つけてきて
かんばんをこしらえました。」
林原玉枝作 きつつきの商売より
小学3年生の教科書のお話の一節です
もりな かのき のなかから
えり すぐ りのき を
み つけて きて
かんば ん をこ しらえ ました
みたいな読み方になっちゃうわけです
(因みに、森中を「もりじゅう」と
よまないで「もりなか」と
読まれると聞いていても意味を
つかみにくくなっちゃいますね)
これは例題なので、
私が再現したものですが
この調子で耳に音が入ってきたら
正しく意味をとらえるのは
難しいですよね
何度も読むことで
これがスムーズになる
スムーズになった音が
耳から入ることで
文章の内容が頭に入ってきて
理解できるようになる
こんなプロセスを
小さい子供ほど
丁寧にやっていく事に
とても意味があるんだと
わかりました
だから、
音読は宿題で毎日でるんだ
気づくのが遅いけど
タイムマシンで戻れるなら
ウチの子供たちの音読の宿題
やり直させてーってくらいの
塾長です。
5,6年生になると
さすがにスラスラと読めるようになっていて
「お!さすがだぞ」
と感じていましたが
スラスラ読めている
=
内容を理解できている
とは言えないこともわかりました
読めるけど、一度や二度読んだ
というだけでは、
物語の内容は
あらすじレベルでも
入ってきていないのです。
学力レベルがかなり高いお子さんでも
そうだという事です
何度も読むことでやっと
深い理解にたどり着く
小学生のうちに
この、訓練をたくさんする
この先にしか読解力が育たないんだなぁ
実感しました
中学生の学習塾では
国語をやらないことが多いんです
でも、私はやはり読解力がないと
数学の文章題、理科、社会
問題文の理解がむずかしくて
解けない子が多いので
結局学力アップにつながらない
と考えています
英語は語学ですから
国語と同じように読んで聞いて
理解するという作業は共通して
役に立っていると思っています
それなのに、国語をじっくりと
学習している余裕がないくらい、
他の教科の学習に
時間をとられてしまっています。
国語は、ぜひ小学6年生までに
しっかりと読解力を身ににつけて
「説明文」「物語文」
「論説文」など
いろんな文章にたくさんふれて
ことばを理解する力をまず作る
これをしっかりやれると
中学以上の学習がやりやすくなる
他の教科でもすべてに影響してくる
ということです。
声にだして読んでもらって
いろんな事が伝わりました。
ステイホーム週間
お子さんと一緒に
お気に入りの本を
読みあっこしてみてはいかがでしょう?
お父さん、お母さんとの
楽しい思い出として
音読がきざまれたら
きっと、本の好きな子供さんが
増えると思います
「どこがわかんないの?」
の質問に一番多くかえってくるのが
「問題が何いってるかわかんない」
この原因を潰せれば解ける問題は
確実に増える!
日々の発見で
いろんな所が成長する塾長でした