承認要求を満たすもの
最近では、仕事にやりがいを求める人は
減っているといわれています
仕事は対価を得て、生活を成り立たせる
それが目的であって
生きがいや楽しみは他にみつける
そんなライフスタイルが主流になってきてる
ワーカーホリックな私には
あまりよくわかりませんが
若い人たちは特にそういう傾向が強いようです
でも、一方で
SNSなどでは イイネ!に象徴されるみたいに
認めてもらいたい
という承認要求は減っているわけではないんですね
今でこそ、子供は何にでもなれる
夢をもってほしい
仕事のことをしってほしいと
熱く語っておりますが
そういう私は小学校の卒業アルバムでも
大きくなったらなりたいものが
見当たらず、苦し紛れに
小物屋さんになりたいなどと
おもいつかなくて
うそではないまでも
たいしてなりたいとも思っていない
事を書いたことを覚えています
将来・・・などと言われても
その頃自分が知っていた職業は
農家、保母さん、学校の先生
やおや、にくや、さかなや
工場で働く人、スーパーで働く人
ラーメン屋、喫茶店など食べ物や
その他数えられるほどのものでした
その中に、これは!という仕事は
なかったのです。
中学に入り、人気のある職業を
見つけてなりたいなとは思いました
声優・アニメーター・まんが家
しかし、それはもう本当の夢物語で
なれるはずもありませんでした
その頃、ボーイスカウトの
小さな子供たちのお世話をする
リーダーをしていた私は
ある日、隊長から
名古屋でジャンボリーがあるんだ
まゆみちゃん、コアラをかけるかい?
コアラをデザインして
ジャンボリーで配るステッカーを
つくりたいから書いてくれないかな
と言われたのです
マンガ家になりたかった事もある
私ははりきって書きました
いまでも覚えていますが
コアラの横でボーイスカウトの
男の子がたっている絵でした
そして、忘れた頃に
隊長から、ある日わたされたステッカー
そこには私が書いた絵が!
ステッカーに採用されたんです
今でこそ、オリジナルのステッカーが
自分で簡単に作れる時代ですが
40年前はコピーは青焼きといって
建築の設計図など特別のものだけ
水でぬれたような状態の紙を
乾かすようにしてしかできない時代
カラー印刷されたステッカーなんて
もう、ふつうじゃ作れないものでした
そのステッカーに私の描いた絵
その時の感動は今も忘れられません
自分が認められたような気持ちになりました
嬉しかった。心から嬉しかったんです
また、ある日
高校のクラスの友達がこう言いました
うちの家、あめを作ってるんだけど
今度、東山動物園のコアラ人気で
コアラのアメを作ることになったんだぁ
コアラの絵 描いてよ
そう頼まれて、ささっと描いて渡しました
すると、数日後
描いてもらったコアラ あめになったよ
ありがとうね
私のコアラが丸い小さなあめの中で
笑っていました
不思議な気持ちでした
わたしの描いたらくがきのような
コアラ
そのコアラがあめになって
お菓子屋さんに、スーパーに並んでる
想像するだけでわくわくしました
自分のしたことが世の中にでる
だれかの役に立つことの
幸福感と充足感をこの時理解しました
私の中の承認要求が
満たされた瞬間は
50歳を過ぎた今も
忘れる事はありません
スクーミーエンジニアクラブは
この経験が下地にあります
人間は社会的動物だから
社会の中で自分んを感じたい
承認されたい
それを満たしてくれるのが
仕事だった時代に生きてきた
ふるーいタイプですが
やりがいは、子供たちにとっても
きっときらきらとして
心にのこってくれるものと
今でも信じていたりします